NYのアッパーイーストサイドとグリインッジ・ビレッジのドキュメンタリー

『カーライル ニューヨークが恋したホテル』と『カーマイン・ストリート・ギター』は、どちらもニューヨークに実存するホテルとお店についてのドキュメンタリーです。「ザ・カーライル・ア・ローズウッド・ホテル」があるのは、セントラルパークの東側に当たるアッパー・イースト・サイド(Googleの地図の上の赤印)、対して『カーマイン・ストリート・ギター』があるのは、ダウンタウンの西側にあたるグリ二ンッジ・ビレッジ(Googleの地図の下の赤印)です。


ニューヨークは北南に伸びる道は、地図上では上下の縦の線で「アヴェニュー(番街)」と呼ばれ、ファースト・アヴェニューは東、12thアヴェニューは西にあり(それよりも東や西にあるアヴェニューもあります)、5thアヴェニューが真ん中のイメージです。5thよりも東にあれば大体「イーストサイド」西にあれば「ウエストサイド」となります。

東西に伸びる道は、地図上では左右の縦の線で「ストリート(丁目)」と呼ばれ、14thストリートより南は不規則的ですが、14thストリートより上は、南側が数字が小さく、北になるほど数字は大きくなります。ほとんどのストリートは一方通行ですが、14thストリート、23rdストリート。34thストリート、42ndストリート、59thストリートなどは東にも西にも行ける大きな通りで、バスも横断するルートになっていることが多いし、地下鉄の駅もあることが多いです。このメジャーなストリートと、メジャーなアヴェニューで区切られた地域の呼び名があり、アッパー・イースト・サイドは、マンハッタンの上の方(アッパー)の東側(イースト・サイド)という意味で、59thストリートより北で、96thストリートより南で、5番街(5thアヴェニュー)より東側の地域のことです。

アッパー・イースト・サイドは、ニューヨークの上流階級の人やセレブレティが住む高級住宅街になります。特にセントラルパークに面している5thアヴェニュー沿いにある建物が一番高級で、その東側のマディソン・アヴェニュー、その隣のパーク・アヴェニュー辺りまでも、超高級となります。この地域には、メトロポリタン美術館やグッケンハイム美術館を始め数多くの美術館やアートギャラリーがあり、上流階級の子供達のための私立の学校が多く、犯罪率は低い地域です。

グリ二ンッジ・ヴィレッジは、14thストリートより南、ハウストンより北、ブロードウェイより西側の地域を呼びます。グリ二ンッジ・ヴィレッジの東側は、イースト・ヴィレッジ、グリ二ンッジ・ヴィレッジの南はソーホーです。(ちなみにソーホーはSoHoと書き、SoutheHousetonの略です。)グリ二ンッジ・ヴィレッジは、かつてはビート・ジェネレーションのビートニクやヒッピーが多くいた地域でもあり、ビレッジ・ヴァンガードやブルーノートがありNYのジャズの中心街でもあり、ホテル「ストーンウォール」があったためゲイタウンでもあり、ボヘミアンな雰囲気なことから多くのアーティストが住む地域でした。が、土地の高騰などにより、アートな人々はその後ソーホーに移り、ソーホーもお洒落化したのでトライベッカに移り、トライベッカも観光地化したので、ブルックリンに移り住みました。

上流階級のアッパー・イースト・サイドの雰囲気にそのものの『カーライル ニューヨークが恋したホテル』、今はほとんどその面影を失いつつある古き良き時代を残したままのグリニッチ・ビレッジの『カーマイン・ストリート・ギター』、2つの異なるニューヨーク、マンハッタンのドキュメンタリーとして見比べてみるのもおもしろいと思います。

余談ですが、『カーマイン・ストリート・ギター』のエンドロールで、通常は動物を傷つけたり虐待することなく映画の撮影を行った時に記載されるもの(動物を虐待してません「No animals are harmed in the making of this movie」)を文字って「No Hippie are harmed in the making of this movie(この映画の製作では、ヒッピーを誰も傷つけたりしてません)」って流れて、思わず笑ってしまいました。

それぞれの映画の詳細に関しては、刈谷日劇のオリジナルレビューをご覧ください。
『カーライル ニューヨークが恋したホテル』のオリジナル・レビュー
『カーマイン・ストリート・ギター』のオリジナル・レビュー