ハッパGoGo 大統領極秘指令
Get The Weed
 
スクリーン 2
10/4 - 10/17 
上映開始日:10/4
上映終了日:10/17
ウルグアイ・アメリカ合作
監督:デニー・ブレックナー、アルフォンソ・ゲレロ、マルコス・ヘッチ
デニー・ブレックナー、タルマ・フリードレル、グスタボ・オルモス、ホセ・ムヒカ
オフィシャルサイト
Loro films

ハッパGoGo 大統領極秘指令

アメリカでは、17世紀半ば、18世紀後半、19世紀前半、20世紀は1920年から1933年まで、お酒の製造、販売、輸送を禁止する「禁酒法」がありました。この法律が施行されている間、お酒の製造や販売は違法に行われ、いくつもの違法な酒場がありました。このような法のもとでは、飲酒は犯罪だったわけです。

お酒は体に有害だ、酒場と売春宿は深く結びついている、などの理由で禁酒法が施行されたのですが、皮肉なことに1920年の禁酒法の成立後と禁酒法以前を比べると、(もぐりの酒場がいたるところにあったため)成立後の方が飲酒量は増えたそうです。人は「してはいけない」と言われると、余計にしたくなるのかもしれませんね。

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また、法律はありましたが、違法なので税金もかからず、強く取り締まらなかったので、違法な製造や販売に関しては大いに栄え、アル・カポネなどのギャングが、禁酒法時代に違法な酒造販売で莫大な富を築いたそうです。禁酒法により、ギャングによる暴力沙汰や犯罪が増え、禁酒法以前にあった酒類の税収はなくなる代わりに、取り締まりなどの費用は増え、政府は禁酒法の廃止を決めます。

この禁酒法の廃止に近い形で、世界的に解禁になっているのが大麻産業です。世界保健機構(WHO)も大麻が健康面で悪い影響(中毒性や依存性などの害)を及ぼす可能性は極めて低いと定め、大麻に関する規制を大幅に緩めました。

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このような中、世界で最初に国単位で大麻を合法化したのが南米の小さな国ウルグアイです。「世界一貧しい大統領」として有名なホセ・ムヒカ大統領は、違法な密輸業者などに流れるお金を税金として国が徴収でき、使用者の健康を守るために国が統制する方が健全だと大麻の栽培や販売を合法化しました。

フィクションだと謳っていますが、主人公の母親役、本当に主演(と監督をやっている)デニー・ブレックナーの母親だそうです。それから、ウルグアイの大統領として登場するホセ・ムヒカ大統領、そっくりさんなのかと思ったら本人です。お茶目だなぁ(笑)、そして、薬局のシーンなどフィクションなのに顔にボカシいれてそれっぽく見せてるなぁと思いきや、ウルグアイでハッパ入りブラウニー(本当ははいっていない)を薬局で売り出してみたらどうなるかという実験をやったドキュメンタリーの一部だったそうで。また、アメリカのイベントなど実際に存在するものもあるので、アメリカの州単位での解禁後の流れや歴史も少しわかります。

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と、まぁ、いろいろ書きましたが、『ハッパGoGo 大統領極秘指令』は、そういう背景を舞台に、大麻を合法化したのにウルグアイ国内に大麻がない!!!! 国民が怒ってるから、どうにかしないと!!!大麻大国のアメリカに行ってどうにかしようという風にふざけた話が進む「コメディ」です。コメディなので、日本にあてはめて医療大麻は解禁すべきだとか娯楽目的はダメだとか、そういう政治的な観点抜きで、バカバカしく笑って観て欲しい作品です。ジワリと笑える要素は結構盛り込まれています。たまには、何も考えずにおバカに笑う、そんな時間をお楽しみください。