草間彌生∞INFINITY
Kusama: Infinity
G
スクリーン 
2/21 -3/5 (予定)
上映開始日:2/21
上映終了日:スケジュールで確認ください
監督:ヘザー・レンズ
草間彌生
http://kusamayayoi-movie.jp/
2018 TOKYO LEE PRODUCTIONS, INC. ALL RIGHTS RESERVED.

草間彌生∞INFINITY

私が初めて草間彌生の展覧会を観たのは、2003年に六本木に新しくできた森ヒルズの53階にある森美術館で開催された『クサマトリックス:草間彌生展』でした。その数年前にコムデギャルソンが取り上げたのがきっかけで、草間彌生のことはなんとなく「点々の人」という感じで知ってはいたのですが、作品を観るのは初めてで、草間彌生の世界観にどっぷり浸かれる展覧会ではとにかくびっくりしたのを覚えています。

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日本での活躍の場は広がり続け、今では誰もが知っているアーティストの一人だと思うのですが、当時は「統合失調症で頭のイカれたアーティストのイカれたゲージュツ」くらいにしか思っていなかったのですが(すみません)、本ドキュメンタリーを観て、少しだけ彼女の芸術性が理解できた気がしました。その後、統合失調症に罹患した理由であろう実父からの虐待のことなど知り、芸術に生きる意味を見出し、それを形にすることで生き続けてきた女性の世界観なのだということも理解し、自分の世界をアートで表現できる凄さは尊敬に値すると思いました。

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「頭イカれた」どころか、白人男性文化の中で、マイノリティの日本人として、女性として、闘ってきた彼女の芸術は、力強く不思議な世界を醸し出して、生きる辛さと喜びみたいなものを感じさせます。そういう風に思えるようになったのも、このドキュメンタリーを観たからで、「日本を代表する前衛芸術家 草間彌生」を少しだけ理解できて、よかったと思いました。日本人の草間彌生ですが、本ドキュメンタリーはアメリカ人の女性監督によって撮られたもので、外から見る日本人芸術家の視点で観れるのも興味深かったです。

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「生きるとはどういうことだろう」「芸術とはなんだろう」「自分の存在価値はどこにあるのだろう」そんな哲学的な問いさえ与えてくれる草間彌生の人生と芸術についてのドキュメンタリー、芸術に関心がある方、草間彌生が好きな方だけでなく、多くの人に観てもらいたい作品です。